霊媒的に描く。ヤン・シュヴァンクマイエル。 [シュヴァンクマイエル]
霊媒的に描く。ヤン・シュヴァンクマイエルの作品公開。本日公開のシュヴァンクマイエルさんの絵は一般にはメディウム(霊媒的)ドローイングといわれるたぐいのもの。ぼくの家内のアンティエの絵は、霊媒的ではなく霊媒ドローイングで、もっとダイレクトなものです。彼女の「ひかりの絵」のもっと知りたい方は、最後に紹介しているアンティエブログからひかりの絵の項目を探ってみてください。ヤン。シュヴァンクマイエルさんの絵は、おくさんのエヴァさんとともに収集したアール・ブリュット絵画の中でいわゆる心霊画家といわれる人々のコレクションもあり、それらの収集趣味の延長線上に、これらのメディウムドローイングがあるのではないでしょうか。
ともかく、シュヴァンクマイエル氏の作品の紹介。霊媒的であるために、心霊術的であるために、彼はフロッタージュ(何か凹凸のあるものの上に紙を載せて、鉛筆やコンテでこする)から始め、これらの絵では、それを細密に増殖させたり、色を加えたりして完成している。
で。彼の文章の一部をカタログ前に、木村有子訳で紹介します。
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メディウム(霊媒的)ドローイング(ヤン・シュヴァンクマイエル)
ミディアム(霊媒による)ドローイングというものは、オートマチックドローイングという方法のひとつで、特殊な方法を用いて行われる。ドローイングしている霊媒は、自らが描くのではなく、目に見えない何者かに手を貸していると信じている。彼らの絵には“別世界”が描かれる。(私はそのことに特に親しみを覚える)“別世界”を描くことは、この世に対する意識しない抵抗であるのと同時に、イマジネーションの種類を、つまり “イマジネーション科学”とも呼べるものを提供している。このような制作は、アルケミー(変成の魔力)に関わっている。(私がこの点にさらに親しみを覚える)。この霊媒による攻撃的、積極的な制作が行われる一方で、“守り”にまわる方法、つまり受動的な制作方法もある。例えば、霊媒によるファンタジックな曼荼羅の制作もそのひとつといえるだろう。霊媒によって描かれた絵は、明らかに彼らの心の中を整えるだろう。霊媒の絵は私に、装飾の概念というものに対する新たな見方を教えてくれた。我々が知っている実用美術の世界における装飾だけではなくて、もうひとつ心の奥深くに内面的な装飾というものがあることを。この内面的な装飾”心のリズムの記録”が存在していることは、疑う余地がない。(ヤン・シュヴァンクマイエル 訳:木村有子)
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シュヴァンクマイエル展 関連リンク
ヤン・シュヴァンクマイエル、マックス・エルンスト、上原木呂展:
2011年9月1日から9月30日東京開催
アートコンプレックスセンター http://www.gallerycomplex.com/m_a/index.html
シュヴァンクマイエル・ジャパン http://www.svankmajerjp.com/news/
そのほかのリンク
アンティエブログ http://blogs.yahoo.co.jp/antjeartlife
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